墨流し技法とは
墨流とは、色々な色の化粧土を混ぜ合わせて、マーブル(大理石)の文様見たいな流れをを作る技法です。
白の化粧土に黒や他の色を流したり、黒の化粧土をバックに、白、ピンク、青の化粧土を垂らして流れによる文様を出します。
墨流しやり方 (上の墨流しの例)
今回の結果から、ポイントをまとめると(失敗から、学ぶところがおおいですが。。。)
- 削りが終わった半乾燥の状態で、化粧土を掛けの作業をします。 余り作品を乾燥させると作品が水分を吸収し割れる可能性があります。 そして亀板に載せておきます。
- 化粧土は、通常より柔らかみにします。化粧土の色は白、青とベースの黒化粧土を使います。色化粧土は、スポイトかイッチン、又はケチャップ、マヨネーズ用のプラスチック容器みたいなものを用意し、事前に容器に入れておきましょう。
- ベースの黒化粧土を刷毛で全面に塗ります。 ベースは2度塗りをしました。
- 色化粧土を色化粧土容器(イッチン等)で手早く全体のバランスを見ながら垂らします。
- 化粧土を混ぜるのは、回したり、振ったり、傾けたり素早くやり、流れと化粧土の混じりで文様を出して行きます。 素早く、思い切ってやります。
- 流れからや、文様が不足であれば更に、化粧土を垂らし同じ作業をします。
- 余り時間をかけすぎたり、混ぜすぎたりすると、汚くなります。
蚊帳目文様(内側、外周部)
この作品には、もう一つの技法の蚊帳目を施しました。 文字通り、蚊帳の布を使って、化粧土でその模様を出す技法です。
蚊帳目:レース状の文様の入った布を粘土面に押し当て、通常の黒化粧土を塗ります。 化粧土は刷毛で、レースの上に載せて行く感じに。。
手ろくろを回して刷毛で塗ると、レースがずれて文様が出てくれません。 塗って、表面の光沢が無くなったところで、レースを少し外して文様の出具合をチェックしたら、文様が出ていたら、レースや蚊帳目を外します。
お皿の作陶
綺麗な作品を作陶と削りで仕上げるのは基本中の基本です。
細部を見直し、内と外の形を同じように、即ち、厚みを揃えます。 特に高台周りや腰の部分等に土が残り易くなりますので、厚いところを徹底して削ります。
第一段階で、削り終えて持って見るて、重心をチェックします。 重心が下にあると言う事は土が多く残っていると言う事で、手の感触で、銅や腰の部分に厚みを調べ更に削って全体を整えます。
Youtube動画
今回の作品とは違う、電動ろくろでの墨流しです。 電動ろくろでやると、中心から化粧土が流れる文様になります。これも面白い文様が出ます。マーブル状の文様であれば、亀板に乗せて手で動かした方が、綺麗な文様になります。
マーブルと言えるかどうか疑問ですが、放射線状に中心から、周りに広がりました。 通常は、ろくろを回すのではなく、白や、黒をベースに、他の色を散らして手に持って回したり、振ったりして化粧土を流して行きます。Youtubeの後半の方に、これをやってます。
動画では、電動ろくろで飛びカンナを施す作業風景も載せております。 陶芸仲間より、飛びカンナのやり方を良く聞かれますので、その作業風景を撮影しました。 電動ろくろは必ずしも必要でなく、手回しろくろでも、同じような作業が出来ます。
この作品は、お皿内部の化粧土の作業(墨流し、蚊帳目)を亀板で作業をし、一晩おき、半乾燥状態で、裏側の削りと飛びカンナを施しました。 この方法であれば、高台、高台内の削りが程良い堅さで出来ます。 又、飛びカンナも素地が半乾燥ですから、カンナが飛びやすくなります。
本焼き作品
墨流しの文様が綺麗に出ました。 全体が黒ですので、もう少し、ピンクと白の量を増やしたら、コントラストが付き、面白かったと思います。 墨流しは兎に角、手っ取り早くやります。
内部周辺の蚊帳目も、そこそこに出てますね。
飛びカンナ文様
裏側の飛びかんなの文様が最高に綺麗です。
特に中央部の文様は、細かな飛びの文様が出て綺麗です。
最終の仕上上がりのスペック
- サイズ: 200mm(直径)、 40mm(高さ)
- 重 量: 432グラム
- 釉 薬: 石灰透明
- 粘 土: 半磁土
- 技 法: 紐作り
- その他の特徴 内: 白、ピンク、青化粧土の墨流し、内外: 黒化粧土 蚊帳目 裏: 黒化粧土 飛び鉋文様
陶芸好きな人には、一度試される事をお勧めします。 ちょっと、こてこてと言った感じですので、蚊帳目はなしで墨流しだけでも良いでしょう。
飛びカンナはある程度慣れが必要ですが、墨流しは誰でも出来ます。