手ろくろで作る ”抹茶茶碗”


抹茶茶碗の作品が5点出来上がってきました。 2点は手ろくろ、後の3点が電動轆轤で作ったものです。

いずれの作品も、まずまずの出来かなと思います。 天目と飴釉の作品が手ろくろ、残りが電動ろくろです。

どちらかと言えば、手ろくろで作った作品の方が、ちょっと大振りでいい感じです。

抹茶茶碗本焼き2月27日追記

抹茶茶碗の作陶は、ビギナーのコースで必ず出てくるテーマです。 だからと言って易しいかと言うと、作ってみると以外に難しい作品です。 抹茶茶碗は、お茶会で使われるため、その作法に則ったルール見たいなものがあったり、又、手に持つ器ですので、もった感触が良くないと使えません。

抹茶茶碗の決まりごと

茶溜まりを付けたり、その周りは茶筅でお茶を摺るところで、茶筅摺りを付けたり。 そして、茶巾で口縁の内側は、茶巾で拭きますので、茶巾摺りをつけたりします。

山道と言って、口縁を弓などで切ってうねりをつけ(口辺のうねり)、その山道がつなぐ、岳があります。

抹茶茶碗抹茶茶わんの決まり事やキーポイント(私見を含む)

  • 重さ: 400g以下出来れば 350g 見た目は重たく、持つと軽い感じ.。
  • 掌(たなごころ) 両手で持って、おさまりが良いように。形状を歪めたり、削りをする。 出来れば、スケールで重さを確認しながら削る。
  • 正面を決める。 正面=姿や文様が最も映える位置
  • 呑み口=正面を時計の6時の位置とすると、3時の位置。 作者のサインは、飲み口の下付近の高台脇に書きます
  • 飲み口の形状は呑みやすいように端そり(はぞりとも言う)にして、外に僅かに倒します。
  • 山道を作り、少し、薄くとがらせ、呑みやすくする。 なめし皮を口辺を締める時、横方向に小さく揺らしながらならす。 これを口辺の揺らぎと言うそうです。
  • 岳と山道 五つの岳とそれをつなぐ山道を付ける。
  • 茶だまり、茶筅摺り、茶布擦りを作る。
  • 高台: 余り、形の大きなものは避ける。一重、輪、切り、割り、三日月、碁筍底などの中から、作品にあったものを選ぶ。 高台の直径は口縁の半分くらいの少し小さ目の方が、抹茶茶碗らしいですね。
  • 釉薬は、高台内や、サインが入ったところには掛けない。 どんな土が使われているのか、作者が分かるようにする事。 作品を愛でる茶道の決まり事のようです

抹茶茶碗の高台の種類

  • 一重高台、輪高台
  • 三日月高台、片薄高台
  • 切り高台、割り高台(一箇所をきる)
  • 四法高台(よほう)
  • 割り高台
  • 碁笥底(ごけぞこ)

抹茶茶碗の口作りの形

  • 端反り(はたぞり、又は、はぞり)
  • 姥口、抱え込み=内側にそる
  • 蛤口=端が細くなる
  • 玉縁=口が丸く少し、大きくなる
  • 樋口(とゆ口)縁の外が内より少し高くなり、エッジがシャープに
  • 直口(すぐくち)樋口を少し丸めたもの

プロの陶芸家の作品も沢山ありますね。 それだけ、抹茶茶碗作りは奥が深いと言う事でしょう。

手に持ったその感触は、掌(たなごころ)と言うそうですが、手にもった感覚を茶人は大事にしてきたそうです。 大事なのは形だけではなく、バランスが大事で。 見た目はどっしりしていても、持つと軽いと感じるもの。 そして、バランスが取れているもの。。。

茶碗ですから、どうしても、高台や高台周りの底、腰などに土の量が多くなりますので、持った時、下が極端に重たくなります。ですから、そこの部分を徹底的に薄くしてやる必要があります。

一つの目安として、トータルの重さを出来るだけ少なくすること。 800グラムの土で作るとして、乾燥したら、300グラム以下になるように、特に土が残りそうな部分を徹底的に削ってやる必要があります。

削り終えた時の重さより、乾燥すると、10~20%ほど軽くなります。これは粘土中の水分が乾燥で蒸発するためです。

Youtube動画

楽寿荘の陶芸教室の平成陶芸教室で、抹茶茶碗の面白い作り方をプロの陶芸家の方が教えてました。 その作り方がちょっと変っていて、自分もやって見ようと思って作った作品です。

筒上げをするところまでは同じなんですが、少し、乾かして、変形し難いくらいの乾きになったら、底を押し出します。 碁笥底を作る反対と思っていただいたら、イメージしやすいでしょう。 筒を逆さにひっくり返すと上にぽっこりと丸く底が突き出る形になります。

内側には、茶筅擦りと茶溜まりが出来ています。 これで、高台を作ります。 高台は荒々しく、真ん中がずれていても、掻きベラでざくざくと削って行きます。 高台は10mmで作ってますから、思い切って削れます。

削り跡など残ってもお構いなし。

そして、重さの調整の為の削り作業は、内部を、これも大きな丸の掻きベラで削って行きます。 この方法だと、外観の形状は変りません。 でも、その反面、せっかく、綺麗に仕上げた内側に削り跡が残るのは個人的には好きではありません。 でも、削りで形状が壊れるのも困ったものですが。。。

本来であれば、作陶で薄く、自分の形状をつくるべきかと思います。 でも、抹茶茶碗を作って誰しも経験するのが、重たい作品になることです。 どうしても肉厚になりますので、初心者的にはこれもありかと思います。

仕上げで茶筅摺りや、茶巾摺り、そして口当たりの口縁の仕上げを綺麗にしておけばいいのでしょう。

この作品は800グラム程度の土で、今の段階では360グラムになりました。


手ろくろで作る急須 初心者でも作れる簡単テクニックとヒント


陶芸の中で、急須が最も難しいのでないでしょうか?
その理由は沢山ありますが、やはり手に持つ事、そして、お茶を入れる器と言うことではないかと思います。 一言で言うと”誤魔化し”が利かないと言うことです。
重たい、バランスが悪い、垂れるなどの作品は、置物になっても、急須としては使えません。

これが本焼きの作品です。 黄瀬戸とたんぱんの作品をぐい吞みなどとセットして見ました。お茶より、お酒を入れた方がよさそうですけど
こんな手作り感のある急須です。 この作品のチャームポイントは、手作りからから出る”しぶい”そして、ちょっと”Cute”な感覚。黄瀬戸の色もこの作品もあっているように思います。

全体重量も280gと軽く、水キレもなかなか良いです。 お茶がスパッと切れて垂れません。蓋の取っ手のセンターがずれて、少し曲がってます。これも愛嬌でしょう

今日はこの作品を手ろくろで手びねりで作ります。 胴体以外は、玉作りとたたらです。
CIMG3871

この難しい作品でもある程度のやり方が分かれば、それなりの作品が出来るのではないでしょうか?

この作品が、作陶の完了品で、重さは324gで、目指す軽量化は出来てます。完全に乾燥すると後5~10%程度は軽くなりますので、ほぼ、予定通りの重さに仕上がってます。

急須を作る粘土と各部品の粘土の準備

粘土は、信楽の白を準備しました。 ここで大事なポイントです。 全体の重さをしっかり頭に入れて作陶をします。 その為に、予め部品用の粘土を小分けして置きます。
胴・350~400㌘、蓋・40~50㌘、口・50グラム 取っ手・50グラム 合計 550g
何となく、作ると800㌘くらいになったりします。 この方法であれば、これから、如何にマイナスを大きくしていくかだけです

胴の作陶 玉つくり

粘土を丸くまとめて、真ん中に親指で穴を開けてやって、穴を深くして行きます。

そしてある程度の形になったら、手回し轆轤に載せて固定し、横に広げてまっすぐな筒上げをします。 70mm (直径) X 100mm(高さ)位まで上げます。

大事なポイントは、真っ直ぐな筒上げをする事。 そして、薄く均一に。。又、高台は碁笥底にしますから、5mm程度でも大丈夫ですね。 そして、横壁も5mm以下にしたい。。

真っ直ぐ上がった筒を胴の中央位から、少しずつ丸く広げて行きます。 芯を出来るだけぶらさないように。 ある程度、膨らんだら口縁を針や弓で切って、なめし皮で締めます。 口縁は、蓋受を作りますので、少し厚めにしておきます。

蓋受けは、なめし皮を両手で持って、左の親指の爪を立てるようにして口縁の半分を下げてやります。 蓋受けのついている陶器になめし皮を両親指を当てて見れば、やり方が分かります。CIMG3868
これが出来ない人は、口縁を切ってなめし皮で締めて芯を出したあと、竹櫛で、上から5mm位のところにあたり線をつけます。
そして、その線を基準にして、内側へ曲げてやって、蓋受けを作ります。 これなら出来ますよね。

最後の仕上げは、直角の道具を使って、蓋受けの部分を水平にしてやります。 蓋受けが出来たら、胴を木小手などで膨らませて形を作ります。

半乾燥になったら、しっかり削って、薄く軽くして行きます。

手びねりでつくる蓋

蓋用の粘土を丸い玉にして蓋を作ります。 芯になる部分を残して締めながら丸く、口の大きさに伸ばしていきます。 胴の口縁の大きさをパスなどで測っておくか、針金を切って(針金のハンガーなど、少し太目の針金)、大きさを測っておいてその大きさにします。

難しければ、5mm程のたたらで粘土を伸ばして丸く、轆轤の上で針で切ります。 形を傘型にするのであれば、少し大きめに。蓋の取っ手は、後付けでいいですね。

取っ手の作り方

取っ手は50㌘の粘土を丸棒にして左右から、指を入れて穴を開けて、伸ばして作ります。 面倒であれば、まぐカップのような取っ手にすればいいと思います。 当然、取っ手の位置は、注ぎ口の反対になります。 このタイプは”後手(あとで)急須”といいます。

適当な木の丸棒があれば、粘土を薄く伸ばして、丸棒に貼り付けてちくわの様にしてもいいでしょう。しっかり締めて、どべで粘土を接着しましょう。

注ぎ口のつくり方

もっとも難しい部品です。 電動轆轤であれば、それなりに簡単に作れますが、手回しでは難しい。 と言うことで、たたらで作ります。 扇型の型紙を作っておきます。 この型にあわせて、5~6mmのたたらで作ります。注ぎ口 注ぎ口は薄く、根元は5~6mmで。。やり方はたたら板を片方に置き、棍棒に傾斜を付け粘土を伸ばします。 後は、丸くしてドベで接着するだけです。

紙で作ってみれば、イメージが沸きますよ。 後は、大きさを自由に変えてください。

Youtube動画を見て下さい。 これで悩み解決。。。

茶漉しの作り方

これも簡単です。。棍棒みたいな端が丸みがあるものに布を巻いて、それに、3mmほどの粘土を貼り付け、少し乾かします。後はポンスで穴を開けてやります。中心から回りに穴あけを広げて行きます。柔らかすぎると穴の切り口が切れになりませんので、数時間おいて、ポンスで穴が開く程度まで乾燥させます。 CIMG3869

胴の壁を丸くへこませてやってもいいですが、胴の厚みが3mmほどになっている必要があります。 たたらで作ったほうが簡単に綺麗に出来上がると思います

この写真、私の作品です。 上のやり方だと、こんなに綺麗な茶漉しが出来ます。

プロのものはもっと穴の数が少ないです。 穴を多くしようとすると、間が切れてしまったりしますので、無理して多くは作る必要ないのですね。

組み立て

共土(作陶と同じ土)のドベを使って、接着します。

大事なポイント:

  • 注ぎ口の高さに注意。。蓋受けの高さと、注ぎ口の下側の高さを揃えます
  • 取っ手は、注ぎ口から90度以内にします。85~88度の位置に。。蓋のつまみを親指で、押さえ、残りの指で取ってを持つ位置です。 そうなると取っ手は少し上目になります。取っ手の中心の軸が、反対側の胴の中心の高さになるような傾斜にします。 そうすると、取っ手を台にして、急須が立ちます。(バランスが取れる)
  • 手の位置を持ち易い位置に決めて、口の位置を決めます。(88度くらいの位置)

後は、YouTubeを見てください。 失敗しても、数回作ってみれば横領が分かります。 必ずできます。

Youtube動画”手ろくろで作る急須”


ワンモア ステップアップ陶芸 施釉と焼成サンプルの活用


陶芸は失敗の連続ですね。 私の失敗でもっと多いのが施釉です。

作陶までは、一生懸命作っているのですが、施釉をいい加減にやると、本焼きを見てがっくり来ることが実に多いですね。

下の抹茶茶碗は、飴釉に白萩を少量たらして、前面の景色を作ったものです。 飴釉と言うと、結構綺麗にかかる釉薬で、失敗フリーと言ってもいい釉薬です。

施釉の失敗では、下の粘土との相性や、作品とのマッチングみたいなものを考えないと、後で泣きを見ます。

この大事なツールとなるのもが焼成サンプルですね。 私の行く楽寿荘の陶芸教室には、良いサンプルがなく、自作をすることにしました。

各テストピースには:

  • 菊の印花・・・・溜りや、濃い施釉の色合いを見ます
  • 化粧度・・・・・・白と黒の化粧土の発色を見ます
  • 呉須・・・・・・・・黒と青呉須の色合いを見ます
  • 全面施釉・・・・薄掛けの施釉です

写真でも、それぞれの状況がよく分かりますね。 このサンプルを見ながら、どの選択をするか、また、薄掛けか濃く掛けるのか? 出来れば、作品をつくる構想の段階で、施釉まで考えておいた方がいい作品ができるのではないでしょうか。

このテストピースは、半磁土です
 こちらが、信楽の赤

半磁土と赤に同じ釉薬を掛けただけでも、これだけ違います。

例えば、6番の織部ですが、白と赤粘土では、色味がこれだけ違います。 私の好みであれば、赤粘土の作品には、織部は使いたくないですね。 でも、白の織部は綺麗です。 でも、印花に溜まった色と、薄掛けの色味は全くちがいますね。 どちらを選ぶかは、個人の好みでしょうが。。。この様にテストピースを見れば、焼き上がりの結果が見えますので、その作品にベストの釉薬の選択が出来ます。

この精度をさらに高めるために。。

  • 信楽白サンプル・・・・・陶芸教室でもっとも使用頻度が多い。 個人的には余り使いませんが。。。
  • 2重掛けサンプル・・・・例えば、天目とそば釉=金色の点々 天目とナマコなど・・・その他、皆さんが沢山の2重掛けをやってます。
  • たんぱん・・・・・・黄瀬戸への濃さ・・・・・濃さで、薄い緑になったり、こげ茶になったり、でもこの濃さの調整が難しいですね。
  • 呉須濃度サンプル・・・・骨描き、だみ用(3種の濃さくらいで)

以前に紹介したYokkoさんの作品にもこんな技法が生かされてます。

Yokko-san補足:
お雛様は二組とも、赤土と白土の組み合わせと透明釉薬のみで出来ています。上が灰透明で赤が少し緑かかる。下が、石灰透明。

画像

この程度の焼成サンプルを準備しておけば、陶芸の技術がランクアップするのは間違いないと思ってます。

それ以上に、焼成サンプルを眺めながら、どの釉薬を掛けるかなどを考えて、本焼きが想像できるのは楽しそうです。。

これらのサンプルは、陶芸教室にプレゼントしたいと思ってます。