陶芸の技法 モカウェアー (Mocha ware) 白化粧土 応用技術


モカウェアーと言う陶芸の技術をご存じですか。 下の作品は陶芸仲間のYokkoさんが作ったブローチです。 モカの技術を使ってます。 と言ってもモカの液を筆で塗るだけなんですが、液を塗ると広がってしたのような文様を作りだします。

画像こちらの作品は、同じ技法を使った一輪挿しなんですが、モカの効果が少し薄いようです。 でも、モカを優先するのか、あくまでも一輪挿しを主役に置くかで、その評価も分かれるところではないでしょうか。

 

Mocha Wareの技法をYouTubeにまとめておりますので、見て下さい。

モカウェアーとは

18世紀後半頃に始まった陶芸の技法です。 Mochaの語源は、その当時アラビア諸国から輸入されていたMocha Stoneと言う石の文様に、この技法の文様が似ていたからだそうです。 Mochaって聞いたことありますよね。 そうです。 コーヒーでよく聞くモカなんです。 イエメンのモカ港から、石もコーヒーもイギリスなどに輸入されてました。

Moss Agateと言う石なんですが、日本語ではめのうと言う水晶なんです。

楽天市場で販売されている、1200円位のめのうのスライスです。そういえば、文様が似ていますね。興味がある方は、いろいろな色のメノウの石が販売されてますので、ネットで調べて見て下さい。
Mocha Wareは、だれがこの技術を開発したのかは不詳だそうですが、モカウェアーは、イギリス、フランス、アメリカで18世紀ころから普及したようです。その理由は最も安価に装飾された陶器であったからです。職人さんが、一品一品手書きをするよりも、スリップウェアー(白化粧土を施したウェアー)にモカ液を垂らしだけですから、コストは安いですよね。

Mocha Wareの文様とそのメカニズム

英語で言えば、dendriticですが、この聞きなれない単語は、樹枝と言う意味で、木の枝の事です。文様が落葉樹の葉っぱが落ちた時のような形状になることから、そのように呼ばれているのでしょう。

何故、樹枝の文様になる
それは、やはり科学反応です。 ニコチンに反応するのかと思っていたのですが、少し違っていて、アルカリ性のスリップ(化粧土 海外では Slip Wareと言います)に酸性の色を塗ることで、その反応が起きるとのことです。
となると。。。これは、私の推測ですが、白化粧土がアルカリで、Mocha Teaが酸性と言うことなんですかね。?

モカ液の作り方:

モカ液の作り方は、いろいろあるようです。
➀ タバコの葉の煮汁
1~2本ほどの紙巻タバコから、たばこの葉を取り出し、この葉を50~100ccほどの少量の熱湯に浸すか、水を入れて沸騰させます。 後は、煮汁を冷まして、フィルターに通して液のみを取り出します。
注意:タバコの煮汁は危険で、有害です。 誤飲したり、子供の手の届かないところに保管するか、使用後すぐに廃棄しましょう。
➁ お茶液
お茶を煮て濃くします。 冷却後、フィルターを通します。
➂ タンパン
黄瀬戸と使うタンパンが手元にあれば、タンパンでもできます。

モカウェアーの作り方

➀作品を作ります。 例えば、ブローチなど
➁モカ液を作ります。 ➀か➁であれば、濃く溶いた呉須の液に、モカ液を入れて、良く擦ります。➂のタンパンであれば、濃いタンパンの液を準備します。タンパンは陶芸用に、合成されたものがネットで販売されてます。 タンパン自体が焼成で発色しますので、呉須はいりません。
➂粘土が乾き始める前にに、白の化粧土に浸し掛けをします。白化粧土につけるか、柄杓で掛けてやります。 筆では塗りません。
➃ ➁で作ったモカ液を、直ぐに、筆先で塗ります。 そうするとモカ液が自然に広がって行きます。 ポイントはすぐにモカ液を塗ることです。

上の一輪挿しなどのように、削りまで一晩おいた作品は、化粧土の水分が粘土に吸われてしまいますので、しばらくすると、dendritic(樹枝)の現象が出なくなります。