黄瀬戸と胆礬(タンパン)を使った装飾


陶芸をやっているとタンパンと言う言葉を聞きます。下の作品が黄瀬戸にタンパンを塗った作品です。 タンパンは下に記載してある人工のタンパンですが、抜けタンパンは出ませんが、タンパンの雰囲気は出てます。

たんぱんって何?

胆礬(たんばん、chalcanthite)は鉱物(硫酸塩鉱物)の一種。化学組成は硫酸銅(II)の5水和物(CuSO4・5H2O)であり、水によく溶ける。 5水和物をネットで見ると、ブルーの水晶のようです。

胆礬は昔から黄瀬戸、灰釉などのワンポイント模様として重宝されています。 胆礬を水で濃く溶き、釉掛けした釉薬の上にワンポイント模様として塗ります。濃い部分は焦げた感じになり、薄い部分は濃緑になります。濃い部分は流れ気味になります …

和 名:たんぱん、膽礬(硫酸銅) 英訳名:Calcanthite、Copper vitriol

タンパンは鉱物で、その成分は硫酸銅です。 硫酸銅は、以前は農薬に使われたり、食物にも微量が添加物として使われています。

今では、自然のタンパンは少なくなっていて、人工的に合成されたものが陶芸ショップ等で販売されています。

黄瀬戸と胆盤の装飾

黄瀬戸は、安土桃山時代に美濃で焼かれた瀬戸系の陶器で 淡黄色の釉(うわぐすり)をかけたものを言い。黄瀬戸は大別して二つあるそうです。

油あげ手、あやめ手

ひとつは、釉肌が、ざらっとした手触りの柚子肌で一見油揚げを思わせる色のものを「油揚げ手」と呼び、光沢が鈍く釉薬が素地に浸透しているのが特徴。

多くの場合、菊や桜や桐の印花が押されていたり、菖蒲、梅、秋草、大根などの線彫り文様が施されており、この作風の代表的な作品「菖蒲文輪花鉢」にちなんで「あやめ手」とも呼ばれています。

胆礬(タンパン)は、鉄釉の焦げ色のあるものが理想的とされ、とりわけ肉薄のためにタンパンの緑色が裏に抜けたものは「抜けタンパン」と呼ばれて珍重されています。

ネットで販売されている黄瀬戸の器に、焦げた文様のある作品と、黄瀬戸の器に線彫りされた部分に緑のにじみみたいな文様があるものがありますが、タンパンの作品です。

菊皿手、ぐい呑み手?

もうひとつが、明るい光沢のある黄釉で文様がないもので、「油揚げ手」に比べると、肉厚で文様のないものが多く、菊型や菊花文の小皿に優れたものが多かったことから「菊皿手」と呼ばれ。

又、六角形のぐい呑みが茶人に好まれたことから「ぐい呑み手」などと呼ばれる。この手の釉には細かい貫入(釉に出る網目のようなひび)が入っている

黄瀬戸は、3号石灰(6)、福島長石(8)、天然松灰(10)、中国黄土(1)の配合比で作られるます。

タンパンの作品例

Yokko-sanの作品:

タンパンは自然のタンパンからつくられたものが使用されています。その結果、抜けタンパンが出てます。

自然のタンパンの塗布の順番は、タンパンを筆塗りして、黄瀬戸をその後施釉します。 濃さは、薄い緑の部分が数回筆で塗り、濃い黒茶の部分は更に筆で塗り重ねたもの。 タンパンとその発色具合はテストピースを作ってから、発色や、抜けタンパンの程度を見ます。


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こちらも、Yokko-sanから投稿された作品です。 線彫りの上にタンパンが塗られてますので、『あやめ手』の作品ですね。
タンパンの色が青みを帯びてますが、実物は緑色だそうです。
20161018_225820よく見ると、葉っぱの、まわりは緑ですね。

 

 

 

 

 

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この作品は、我が家にあるお皿ですが、3箇所に緑の点があります。

黄瀬戸はかなり薄くかかっており、削りの後に溜まった黄瀬戸の濃淡がいい雰囲気の味を出してます。

これが『菊皿手』や『ぐい呑み手』と言われるものかも知れません。 3本の脚がついてますが黄瀬戸に緑の斑点が3つあります。

タンパンの購入方法

ネットで”硫酸銅”で探して見たんですが適当なものがありません。最後に行きたいついたのが”タンパン””陶芸”をキーワードにして検索すると、結構取り扱っているところがあります。

楽天市場で、200グラムの粉末を購入することにしました。 価格は結構高くて、約1000円+送料。 量の割には結構高額ですね、

タンパンのテスト

タンパンが届いて早速使って見ました。その前に、説明書に以下のように書かれています。

陶芸用着色絵の具 胆礬

胆磐は、昔から、黄瀬戸釉・灰釉などのワンポイントの文様として重宝されています。 この胆礬に水を加えて濃い目に溶きます。釉掛けをした釉薬の上に、ポイント文様として塗ります。

濃い部分(2~2.5mm位)は焦げた感じになり、薄い部分(0.5~1mm位)は濃緑になります。 濃い部分は流れ気味になります。合成品ですので、毒性はありません

塗る量が分からず、メーカーに問いあわせた結果、上の数字は塗った後の厚みとのことであること。塗る順番は、説明書にあるように施釉して、次が胆磐。又、この合成品は硫酸を含まないため、毒性がないこと、又、その為、抜け胆磐は出ないそうです。

この塗布の順番を間違えると上手く発色してくれません。

タンパンのテス本焼き結果

ぐい呑み3点の本焼きです。小さな作品ですが、黄瀬戸を掛けて、焼成して見ました。
メーカーの説明書とおり、薄がけと厚掛けをやってみました。 2mmとの説明で、かなりの厚みになりますので、たんぱんの粉末を水で濃く溶き(呉須の骨描き見たいな濃さ)、筆で、塗った結果です。

かなり、濃く出ました。 2mmはかなり厚いです。 中央の部分が、こげ茶色に、そして流れた部分が緑を帯びてます。
せっかくのいい作品でしたが、タンパンの文様が大きすぎて、黄瀬戸のよさが壊れた感じです。

このタンパンは人工の合成品で硫酸を含まないため、抜けタンパンは出ません。 メーカーの説明通り、これだけ厚く塗っても、抜けタンパン(塗った反対側にタンパンが出る)は出ませんでした。

黄瀬戸の色目は、真ん中のものが、実物に近く、他のものは撮影時の光の加減です。

黄瀬戸とタンパンの発色  ”抜けタンパン”

この茶碗は、黄瀬戸とタンパンで仕上げてあります。 タンパンを塗った部分は、作陶時、櫛目を入れてあります。


これが、タンパンにピッタリで、櫛目の部分にタンパンが溜り良い文様を出してます。また、内側には、緑の”抜けタンパン”が綺麗に出ています。

今回使ったのは合成のタンパンではなく、最近は貴重になっている自然のタンパンです。 この黄瀬戸とタンパンの茶器は茶人に昔から珍重されていたとのことですが、淡泊な黄瀬戸の肌によく合います。


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