陶芸鋳込みの技法 原型作りから鋳込みまで


陶芸の技法っていろんなものがあるもんですね。手回し轆轤での紐作り、たたら作り、型作り、電動轆轤つくり、そして鋳込みなど。

今日はその鋳込みです。長い間、鋳込みをやって見たかった。あの石膏型に文字通りのドロドロの泥を流し込んで。

でも、それには又又、多くの技術が必要なんです。それを一から習得していくのもこれ大変。又、チャレンジの始まり。 これはとても、一人ではできない。 これが私の鋳込みの初体験です。

取り敢えず触りの部分から、鋳込みは何ぞや当たりが分かっていただければいいかな!

自分で鋳込みで作ったタンブラーを家で使っているんですが、水一杯を飲んでも、本当に旨い。 それを紹介します。

鋳込み型と原形

左の写真が鋳込み型の型を作るための粘土原形です。

粘土原形は乾燥させずに半乾きになったら削り仕上げをして、そこで石膏を流して、型を取ります。

そして、窯の近くに放置して乾燥させると原形は乾燥でちぢみ、石膏型は逆に膨張するため、逆さまにすると、粘土の原形がころりと出て来ます。。。。なるほど!

”やったー!”と思わず心の中で呟く。 まるで子供が欲しかった玩具が手に入った時のような喜び。。。

この原形はお役目ごめんで廃棄。 もう一度型の原形に使えないのかなと思っても使えないそうです。その理由は良く分かりませんが、多分に石膏が付着しているのと、粘土がカチカチに乾燥しているからだと思います。
そして出来上がったのがこの原形。石膏型の取り方に興味がある人は多いでしょうが、それ程難しくはありません。石膏袋の説明を見れば出来ます。

この型は一体型ですので、轆轤面に伏せて、3cm程の間隔を空けて塩ビ―シートで囲います。そして、石膏を流します。又、いつか動画でも作ります。

泥漿作り

これで、鋳込みが出来るぞと思いながらも、まだ作業が残っていた。 泥漿を作らねば。 泥漿と言うのは、磁器土を水に溶かしたものに、珪酸ソーダを足したもので、どろどろの、釉薬の濃ゆいもの見たいな液体の土です。

泥漿の作り方には二つの方法があります。①生の磁器土、②磁器土の乾粉を使う方法。 今回は②の方法です。

先月から、磁器土の削りカスと失敗作の粘土を貯めていましたので、これを原料に使います。余談ですが、磁器土、再生が効きませんので、廃棄するのは勿体ない。 では手順を。

  • 削りカスと塊を分ける。何故かと言うとカスと失敗作品では、水の含有量が違うからです。 泥漿をつくるには、水の量を計算してつくります。
  • 乾燥した粉を、篩(ふるい)に掛けます。 60番程度の篩は相当目が細かいので、砂粒程度のものが溜まります。 その粉を天日に当てて乾燥。
  • 粉を計測して。 ちょうど3kgありました。
  • 水に加える。 水の量は、粉が溶けた時に一番上が、水の上にくる程度に。 固めにします。
  • 今回は、1500ccの水に対して、粉を入れました。 水をバケツに入れて、上から降りかけるように。 ドバっと投入するとだまになってしまいます。そしてゆっくりと沈殿させ、全てを入れ終わったら、軽く上から押さえてやって、水を含ませてやります。
    手で攪拌。乾燥した粉がないように、且つ、だまは潰して行きます。 今回は、もう一度、60番の篩を通してやりました。 これで、土の準備完了。

泥漿作り 珪酸ソーダ―(水ガラス)

上の作業で、質の良い泥漿が出来ました。このままで石膏型に流し込んでも、短時間では鋳込みは出来ません。珪酸ソーダ、俗にいう水ガラスを加えます。

珪酸ソーダ―の量は、土の5%程度が基本です。この場合は乾粉3kgに水を1500cc加えてますので、0.3%程度にします。厳密には、土の水分含有量などを計算した上で設定しますが、今回は、熟練した職人さんの感も生かし、この値です。

3000グラム X 0.03=9グラム。 9グラムと言えば、小さじ3杯ほどの量です。

少し硬めだった泥漿に、僅か三杯の量の珪酸ソーダ―を加えて掻きまわすと、トロトロとした感じになります。このとろとろの具合を見て、珪酸ソーダの適切な量を決めています。

そして、もう一度、別のバケツに篩にかけて、移し替えます。この理由は二つあって、だまを取る。 そして、空気を取ると言う事だそうです。 どちらも、型に流し込んだ際、不具合の原因になります。

鋳込み作業

 

あとは鋳込むだけ。 ここまで出来たら鋳込みの準備は完了。石膏型は乾燥させておきます。

鋳込みのやり方は、YouTubeにビデオをアップしましたので見て下さい。

主な手順は以下の通り。

  1. 泥漿の攪拌: 泥漿を良く攪拌。流し込み用の容器に篩を通して泥漿を移します。
  2. 泥漿の空気抜き:容器を揺らして、泥漿の空気を抜きます。
  3. 泥漿を流し込み:中央に流し込むようにして、上までいっぱい。表面張力している泥漿に強く息を吹きかけ、型に泥漿がはみ出す程度に。型の肉厚は30mmありますので、外へ流れることはありません。
  4. タイマーセット: 事前にキッチンタイマーで、時間をセット。 今回は10分ほど。泥漿の水分が石膏型に吸い込まれて硬化して行きます。 ですから、この硬化したものが、作品の肉厚になります。 時間が短ければ、薄く。長ければ厚い作品になります。
  5. 泥漿流し出しの準備: バケツにたたら板2本を載せ、余分な泥漿をバケツに戻す準備をします。
  6. 泥漿流し出し: 10分経ちました。 型を胸の辺りに両手で持って、バケツの上で逆さまにして、泥漿を流します。 そして、たたら板の上に暫く放置して、余分な泥漿を流し出してやると共に、硬化した泥漿をさらに乾燥させます。 時間にして10~15分程度。
  7. 鋳込みの取り出し: タイマーのブザーが10分で鳴りました。、型と硬化した泥漿の間に僅かの隙間が、 型をげんこつでコツコツとたいたいてやり隙間を少し大きくします。

そして、トチを載せ、型を反転。 ゆっくりと型を外してやります。非常に柔らかいですから、慎重な作業が必要です。

”何と言う事でしょう” そこに、綺麗な原形通りの作品が滑り出して来ました。

思わず拍手をしてしましました。 これって感動もの。 だって、夢の鋳込み第一号です。

これを乾燥させて、後は削りです。

PS:トチと言うのは皆さんご存じないかも知れませんが、写真の下に見える、磁器製のもので、トップが少し傾斜したもので、お茶碗などの焼成に使ったりします。 これを使う事により、均一に歪みなく乾燥して縮んでくれます。

YouTube

百聞一見にしかず。 ビデオを見て下さい。

 


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