陶芸 ここが違うプロ絵付けの技 網目で鍛える染付


陶芸の楽しみで、是非やって見たい染付。 でも難しいと感じているあなた。絵心がないなんて言ってませんか。 でも、いい呉須と、道具があれば、後は練習でだれでもできるようになります。

道具と言っても、質の良い面相筆。言葉で、質を説明は難しいけど、陶芸の専門店の少し高めのものを選べば間違いないでしょう。

私がいつも買うのは京都の陶芸共同組合が販売している800円の面相筆。 プロの職人さんが使う道具です。

今日紹介する網目文様は”弘法さんも筆を選ぶ”で、骨書きが上手く描けないのは道具の性かも?

プロの網目絵付け

こちらは茶碗に現役の絵付け師が網目を染付したもの。 すごかないですか? 線の太さや網目の大きさが一定している。そして、網目の線の太さ、又、一本一本の線が生きていてのびやか。
職人さんは失敗作品だと言ってましたが、どこが失敗なんだろう。中央の放射線の線が3本ほど、少し濃くなっている部分かな?

職人さんの描き方

手回し轆轤と鉛筆を準備します。鉛筆は少し柔らかなものHB程度。 人によっては柔らかい鉛筆は油を含んでいるので、釉薬をはじくと言いますが、硬い鉛筆を使うと、硬い粉が残って、呉須で描くときの邪魔になります。
左の作品が描き始めですが、その前に、その外に描かれた鉛筆線が見えますか。轆轤線で描いたものと、縦に16分割した線が見えるでしょう。これが一つのポイント。
描き始めは、中央から、16分割に更に2本の線を入れて3等分。これで、48等分になりまね。


48等分になるとかなり細かくなりますので、12等分からスタートしても良いでしょう。それであれば、36等分。

最初の線は、直線、そして2段目は直線を閉じる感じで、三角形に。次は3段目。徐々に間隔が広がって行きます。この作品のように頂点から、直線で三角形の辺を描いて行ってもいいですが、間隔が広くなった5段目位からは少し丸味を付けても良いでしょう。

面相筆と言えども、連続で丸い線を描くのは非常に難しい技術です。特に筆の毛先が鋭角に曲がるものは特に熟練しないと難しい。

ですから、直線を繋ぐ形で描いて行きます。

網目の練習

上手くなるための秘訣。それは、沢山描いてみる事。描く度に何か新たな気付きがあります。兎に角描いてみる事。下の作品は、私の練習作品です。墨汁で紙の上で練習することも大事ですが、やはり、素焼きに描きたい。

少し、フラットなものが良いです。いきなり茶碗や湯呑は難しい。これは、蓋物の予備の蓋があったので、網の染付をやって見ました。

一番左が48分割。中央が36分割だったと思います。網目の線の太さや網目の大きさにバラツキがあります。 まだまだですね。(^^)

でも、そんなに簡単に上手くなったら面白くない。言い訳か。。この練習は、ごまかしも兼ねて、だみや、口縁部に他の文様を入れて絵付けの練習をしてます。中央のものは薄だみの練習。我ながら、濃さが均一で、筆跡がほとんど残ってません。

均一な染付のヒント 是非これだけは押さえておきたい。

昨日も、絵付師さんに指導を受けていたんですが、良い絵付けは、骨書きをしっかりすることがもっと大事だと言ってました。

骨書きが一定していれば、絵がしまってくる。だそうです。それに、少し、私の知識を加えれば、染付(骨書き)の成功の秘訣は以下の通りです。

  • いい呉須を使う。 ペースト状のものを使いましょう。私の窯元では呉須をボールミルにいれて一ヵ月連続で擦ってます。それほど、細かな質のいいものが必要です。
  • 骨書き用呉須 必ず、素焼き片で試し描きをします。下地が見えない事。下地が見えると白っぽくなります。そして、たっぷりと茶碗等に入れます。 高価なものですから、少し作りがちですが、これでは、筆に十分な呉須を含ませられないし、水分が蒸発して、濃く成ったり乾いてしまいます。
  • 筆のしごき方 たっぷりの呉須を筆でしっかりと下から攪拌します。そして、茶碗の縁で、しごいて余分な呉須を落とします。ここで大事な事。 しごきの回数ややり方を一定にします。そして、描く量も一定に。 例えば、網目であれば、線を10本描いたら、呉須を筆に付けるとか。 そうしないと、濃さに斑が出ます。
  • 筆の動かし方 筆の方向は、人によって好みが違います。上から下、左から右、右から左、左下から右上への斜め線など。自分の描きやすい書き方を見つけましょう。これに応じて作品を持つことです。 長い線を引くときは腕を動かし描きます。短い線であれば、指先でも描けますが、筆圧が変わらないように注意します。

練習作品の本焼き

こんな風に本焼きが上がりました。結構集中して描いたものですが、いい感じです。

この網目の技術がある程度マスターすれば、あなたの染付の技術が驚くような出来になるでしょう。
今回の本焼きでは、青海波のものも入れてますが、青海波の形が悪い事と、ダミの濃さが一定してません。これは、上に書いた注意点が自分自身で守られていないためですね。

即ち、青海波を幾つ描いたら、呉須を筆に付けると言うような事を決めずに描いているのが原因ですね。
青海波の形は円を半分描くようなものが描きやすいし、安定して見えます。

YouTube動画にも染付のヒントが沢山あります。時間があればアクセスしてください。


Yokko-san 陶芸ギャラリー


墨吹き装飾 雲皿

この吹き墨の技法は雲皿の上に紅葉の葉をふわりと置いて、幅の広めの歯ブラシに呉須を含ませて網の上で擦り、呉須を飛ばすだけです。網は陶芸用の網ですが台所にある網でも出来ますね。

そうすると飛んだ呉須の粒子が一定の大きさではなくランダムな粒子になるのが、趣があって良いそうです。 とても簡単に出来て楽しい技法です。

みんな同じ型紙なのでスタッキング。小さな雲皿の縁は、イッチンで白化粧と黒化粧のドットで装飾。

2019年度 練り込み お雛様

赤土と白土のたたらさえ作成すればとても簡単に作陶できます。 型紙も必要ありません。
長方形のストライプ模様の練り込みを作ります。 適当に練り込んでます。 その中から一番よい部分を男雛の束帯(本体)にもってきます。女雛の着物の打ち合わせの部分はそれらしく見える部分を使用します
男雛と女雛の足(底部)の部分は束帯の部分を横向きに使ってます。 あまり神経質にならずに残ったたたらを組み合わせればいいと思います。
頭部は黒化粧です。

 

 


角銘々皿 & 多用花鉢 染付作品ギャラリー


陶芸の醍醐味。”染付” 日本古来の絵付けの技法で、元々は、中国、韓国から渡来した技法ですね。 昔は、下絵付けで、綺麗に発色する色絵具がなかったので、この青い色の絵付けが主流だったんです。

でも、自然の良質の呉須の原料が手に入らない事。そして、化学技術の発達で、合成された呉須も沢山の種類があり、そして、色呉須も沢山の色が開発されてます。

今日の呉須は、古代呉須と言われるもので、自然の呉須の色を作ったものと思います。

左の写真は、今回の作品の下絵を描いたものです。 生地は磁器土、鋳込み成型のお皿です。 何となく色が悪いし、どんな色に仕上がるのか不安。。

角銘々皿 染め付け作品 本焼き

こんな感じで仕上がりました。 ギャラリー形式で表示してあります。

お皿が真っ白で、4辺の縁が波打った形になってますので、写真撮影時の照明が映り込んでしまいます。 実物は、気品の高い高級感のある銘々皿です。

如何でしょう。 磁器の真っ白な肌に、呉須が綺麗に発色しました。 写真をクリックすると個別に拡大表示されますので、拡大して見て下さい。

呉須の染付皿は、骨描き、濃いだみ、薄だみで描いてます。同じ呉須の濃淡で表現する技法です。

上の梅の絵付けは、古代呉須での骨描き(線描き)と色下絵具(色呉須)を併用しています。 色絵具は淡く、余りけばけばしくならないように着色してあります。 クリックしてください。

花形多用鉢 染付  本焼き

こちらが、花形多用鉢です。縁のところに切れ込みを入れて、花弁の形を作ります。
結構深い作品ですが、分かり難いですね。 最後の裏から撮影した写真を見て頂ければ大体の形状が掴めますね。
こちらの作品も、古代呉須を使いました。 少し、呉須の濃度にバラツキがあります。この点は改善しないといけないでしょう。 そして、最大の課題は轆轤線です。内側の轆轤線が二重になっているところもあります。 もう少し、真っ直ぐ、3周程引きたい。 手振れや力の入れ方で、面相筆の位置が変わってしまいます。


最後の裏側の写真の絵付けは菊水と言われます。 風流を好むに日本人らしい絵柄です。細い清流が蛇行して流れ、それに菊の花が流れたり、浮かんだりするイメージの絵柄です。

菊の替わりに、桜などを描いても良いですよ。

裏側の轆轤線は良く描けてます。 内側もこの程度描ければ、高級な品物になります。
たとへばスープ皿として使った場合、スープを飲み終える頃に椿の絵付けが見えて、ちょっとしたプラスアルファーな雰囲気が醸し出せたら最高。

作品形状とスタッキング

下の写真をご覧ください。 積み重ねた写真ですが、今回の作品はこれが出来ます。一年間陶芸スクールで技術を磨いて来ましが、究極の目的はこれでしょう。 単に積み重ねれると言うことではありません。
作った作品が全て同じ形状であり、同じ寸法に仕上がっていると言う事です。これは熟練された技術を持ったものが出来る技です。一品を綺麗に自分の思う形に仕上げるのは難しい技術ではありません。 これを重ねるとなると、全ての作業で均一な作品が出来ないと、積めません。

私が通うスクールでも、これが出来る人はほぼ皆無です。当然職人さんは出来ますけど。長期にこのスクールに通う人も沢山いますが、その先輩達の多くは共通して、”職人でもないのに同じ作品をつくる必要はない”見たいな事を云う人も多いです。

でも、その人たちを良く観察していると、やる必要がないではなく。出来ないと最初から諦めている人達が多いと思います。 正直、一年もやって来た私も出来ません。 でも、やろうと言う強い思いを持っていないと、この後、何十年たっても多分出来ないでしょう。

ちなみに今回の作品は型物なんですね。 轆轤を極めるか型作りを身に付けるしかない。


来期の目標課題はズバリ、これです。 磁器制作でこれを目指して行きます。


被せ型 蓋物と蓋の削り 色呉須絵付け 本焼き紹介


蓋物は作って楽しい作品。でも、難度的には少し難しいかも? 特に胴と蓋の部分の勘合が上手く行かないという事がないでしょうか。

被せて見たら、隙間が空いたり、水平に削れていなくてガタガタだったり、摘みが持ちにくかったりなど。

この記事では、蓋物の蓋の削り方の要点を紹介します。

蓋物作品 ギャラリー

今回は、こちらの作品です。蓋は上から被せるタイプにしてます。作品としては、一寸したキャンディーや菓子類を入れたりするタイプです。 そして、沢山の同じものを使うという事を想定して、少し、横方向には余裕を作ります。でも、数ミリずれたとしても、胴とのギャップが見えたらアウトです。

削りの道具 湿台

削りは、半乾燥でやります。通常の陶芸教室の輪カンナでの削りの硬さでは柔らか過ぎます。抑えても変形しない硬さが必要です。掻きベラでは削れない硬さです。ですから、鉄かんなや超硬カンナを使います。

  1. 削りは写真のような湿台を使いす。後は鉄カンナか、超硬カンナ
  2. 湿台は、蓋の下側の”気”の内側の直径にピッタリ合うものが理想です。少し、小さくても構いませんが、削りの作業中にずれる事があり、少し面倒です。
  3. 湿台は生で、作った後乾燥させただけです。素焼きですと、湿台そのものを削れないし、作品を傷める可能性もあります。
  4. 洗面器に水を半分程入れ、少し柔らかくして轆轤を回転させて、湿台を両手で持って、どべを出します。そして、ガーゼを敷いて、湿台を載せ、中心を出して固定します。
  5.  ガーゼなしでは湿台が取れなくなります。

気と縁の削り方

  • 湿台の上に載せ中心を出します。そして気を削ります。端から、1cm位の部分で、水挽の時に少し高めに作ってあります。余り高いと不格好ですから、好みの高さに。
  • 次は、気の外側を一皮削る感じで、仕上げます。その時、胴体との勘合具合を見ておきましょう。少し、左右に数ミリ動く位が適当です。
  • 次はつばを平坦に削ります。内側は削りません。この部分は、水挽のへらで形状も深さも出来上がっているはずです。
  • 削る時は、蓋の中心を指で押さえて固定することをお忘れなく

 

上部の削りと摘みの削り出し

  • 次は上部の削り。摘みの部分を残して削ります。この時、内部の形状をしっかり意識して削ります。縁の部分が削りの目安となりますので、しっかりと削り落とします。
  • 下の削りと比べて、作品が湿台にしっかり固定されてますので、比較的簡単ですが、摘みの部分を押さえて、ぶれないように固定しておきます。
  • 時々湿台から外して、厚みと重さを確認
  • 摘まみの削りで、カンナが引っ掛かると折れたり、穴が空いたりします。慎重に作業します。

最終の仕上げ

摘まみの削り出しが終わったら、胴に被せて勘合と重さの確認をします。最終は、ふわりとした感じが良いと思います。 少しでも重たいと感じたら、蓋の厚みを触感で確認して、均一に薄く削ります。 削りは基本は上部、重たいから削り過ぎて形が変わるのは避けたい。 最後の手段が内側の削りです。今度は内側の肉厚部分を、内側から削ります。 摘みの下は適当な厚みを残した方が穴を開ける心配がありません。
最終の判断は持って見て、軽いと感じたら、それ以上は削りません。
これで完了。 イッチン描きで、桜や紅葉の絵付けをしたり、飛びカンナの文様を付けたいのであれば、この削りの後でやります。

他の蓋物作品 桜の絵付け、色呉須での絵付け イッチン描き

こんな作品が出来ます。
是非、チャレンジしてください。


2019年 お雛様本焼き紹介 プロの技量


今日は久々の陶芸スクール。 老体に鞭打って、電車で京都へ。 徒歩はやっぱりいいね。スマホのヘルスケアのデーターでは8217歩、5.5Kmの距離を歩いてます。そして、大きな荷物を2個も持って。 これを消費カロリーに直したら、いくらくらいだろう。
この寒い日でも、厚着のせいもあるけど、体はぽかぽか。

お雛様本焼き


今日のトピックはなんと言っても、こちらの本焼きでしょう。 13体のお雛様が出来上がって来ました。

来年位は、もっと他の雛もつくろうかと考えてます。

釉薬は土灰。 色呉須の発色は薄く塗っても綺麗です。 又、レース文様をたたらつくりで転写してますので、これも結構いい雰囲気を出してます。

兎と豚の雛も結構いい出来です。 面白い。 パンダは目と耳を白く塗るのを忘れて失敗でした。

2019年お雛様ギャラリー


お暇様の台は、黒天目のはずなんですが、釉薬の攪拌が足りなかったのか、薄く掛かってそば釉のように仕上がりました。

自分で調合した天目釉ですが、なかなか完成しません。

作品の質 プロとの差

この日は、休みの間に作った大黒さんを持っていったんですが、結局は、大黒さんがお釈迦になってしまいました。 粘土の量が足りなくて、あのふくよかな大黒さんがスレンダーになってしまったのがその原因なんです。

大黒さんは布袋さんですから、全体に丸く、大きくないといけません。 この点が私も気に入らなかったし、仲間たちの意見もそうでした。

その過程で、布袋さんの打ち出の小槌ですが、先生から、”小槌ってこんなかたちじゃないよね”と指摘を受けました。そして、詳細はさておいて、先生に小槌を作って貰いました。

数分で小槌が出来上がりました。 一目で、これが小槌だという感じ。 よくよく見ると、小槌の木目文様まで描いてある。 やはり職人さんの技術は高い。 僅か1cm位のものでも丁寧に仕上げる。 そして、その仕上がりが凄い。

他の例をあげれば、ぼんぼり。 お雛様のセットにはやはりぼんぼりがあった方が良いと思い、電動轆轤で適当に作ったんですが、職人さんから、形が違うねと言われてしまいました。

右が私の作品。左が職人さんです。違いが一目瞭然ですね。

こんな風に全てのレベルが違います。 その後、職人さんのを参考に、10個ほど作ったんですが、半乾燥の後の削りの工程で半分は折れてしまいました。 こんな小物に合う湿台がない。 削るのに時間はかかるし、途中で、カンナが少し引っかかるだけで、”ボキ”と折れてしまう。

一方職人さんの仕事は、丁寧に、”私がもうそれで大丈夫です”と言っても、そこから、支柱は半分になり、ぼんぼりの形も整って行く。 私みたいな妥協ってありません。

仕事が実に丁寧で、細かなところまで、配慮されてます。 改めて、プロの職人さん技量を知る結果になりました。

そういう目で私の作品を見ると手抜きの多い事。 例えば、黒化粧土を塗った黒髪。 部分的に塗れてないところが結構あったりして、目も、黒い目のものと何やらグレイになっているものなど。

去年作成した雛飾りよりは、相当進歩しているのは確かです。 でもでもなんですね。 第3者の立場に立ってみると、ここおかしいよと言うようなところが散見されます。

ここら辺りがプロとアマの差なんでしょうね。 プロは木目まで描く。アマは、本来の形さえ作れない。 これは、陶芸教室での作陶のいい加減な姿勢がまだ振り切れていない事にあるのではと又、反省です。

今日の昼間のテレビ番組で有田焼の紹介をしてました。 その中で、お雛様が写っていたんですが、陶芸のお雛様と言えども、細かな服の文様や、12一重の袖口まで、細かな作業がされている。 これなんですね。 陶芸教室であれば、今の作品でも十分なんだろうけど、これってプロの領域ではないんですね。

まだまだなっとらんと反省しきりの一日でした。