角銘々皿 & 多用花鉢 染付作品ギャラリー


陶芸の醍醐味。”染付” 日本古来の絵付けの技法で、元々は、中国、韓国から渡来した技法ですね。 昔は、下絵付けで、綺麗に発色する色絵具がなかったので、この青い色の絵付けが主流だったんです。

でも、自然の良質の呉須の原料が手に入らない事。そして、化学技術の発達で、合成された呉須も沢山の種類があり、そして、色呉須も沢山の色が開発されてます。

今日の呉須は、古代呉須と言われるもので、自然の呉須の色を作ったものと思います。

左の写真は、今回の作品の下絵を描いたものです。 生地は磁器土、鋳込み成型のお皿です。 何となく色が悪いし、どんな色に仕上がるのか不安。。

角銘々皿 染め付け作品 本焼き

こんな感じで仕上がりました。 ギャラリー形式で表示してあります。

お皿が真っ白で、4辺の縁が波打った形になってますので、写真撮影時の照明が映り込んでしまいます。 実物は、気品の高い高級感のある銘々皿です。

如何でしょう。 磁器の真っ白な肌に、呉須が綺麗に発色しました。 写真をクリックすると個別に拡大表示されますので、拡大して見て下さい。

呉須の染付皿は、骨描き、濃いだみ、薄だみで描いてます。同じ呉須の濃淡で表現する技法です。

上の梅の絵付けは、古代呉須での骨描き(線描き)と色下絵具(色呉須)を併用しています。 色絵具は淡く、余りけばけばしくならないように着色してあります。 クリックしてください。

花形多用鉢 染付  本焼き

こちらが、花形多用鉢です。縁のところに切れ込みを入れて、花弁の形を作ります。
結構深い作品ですが、分かり難いですね。 最後の裏から撮影した写真を見て頂ければ大体の形状が掴めますね。
こちらの作品も、古代呉須を使いました。 少し、呉須の濃度にバラツキがあります。この点は改善しないといけないでしょう。 そして、最大の課題は轆轤線です。内側の轆轤線が二重になっているところもあります。 もう少し、真っ直ぐ、3周程引きたい。 手振れや力の入れ方で、面相筆の位置が変わってしまいます。


最後の裏側の写真の絵付けは菊水と言われます。 風流を好むに日本人らしい絵柄です。細い清流が蛇行して流れ、それに菊の花が流れたり、浮かんだりするイメージの絵柄です。

菊の替わりに、桜などを描いても良いですよ。

裏側の轆轤線は良く描けてます。 内側もこの程度描ければ、高級な品物になります。
たとへばスープ皿として使った場合、スープを飲み終える頃に椿の絵付けが見えて、ちょっとしたプラスアルファーな雰囲気が醸し出せたら最高。

作品形状とスタッキング

下の写真をご覧ください。 積み重ねた写真ですが、今回の作品はこれが出来ます。一年間陶芸スクールで技術を磨いて来ましが、究極の目的はこれでしょう。 単に積み重ねれると言うことではありません。
作った作品が全て同じ形状であり、同じ寸法に仕上がっていると言う事です。これは熟練された技術を持ったものが出来る技です。一品を綺麗に自分の思う形に仕上げるのは難しい技術ではありません。 これを重ねるとなると、全ての作業で均一な作品が出来ないと、積めません。

私が通うスクールでも、これが出来る人はほぼ皆無です。当然職人さんは出来ますけど。長期にこのスクールに通う人も沢山いますが、その先輩達の多くは共通して、”職人でもないのに同じ作品をつくる必要はない”見たいな事を云う人も多いです。

でも、その人たちを良く観察していると、やる必要がないではなく。出来ないと最初から諦めている人達が多いと思います。 正直、一年もやって来た私も出来ません。 でも、やろうと言う強い思いを持っていないと、この後、何十年たっても多分出来ないでしょう。

ちなみに今回の作品は型物なんですね。 轆轤を極めるか型作りを身に付けるしかない。


来期の目標課題はズバリ、これです。 磁器制作でこれを目指して行きます。


被せ型 蓋物と蓋の削り 色呉須絵付け 本焼き紹介


蓋物は作って楽しい作品。でも、難度的には少し難しいかも? 特に胴と蓋の部分の勘合が上手く行かないという事がないでしょうか。

被せて見たら、隙間が空いたり、水平に削れていなくてガタガタだったり、摘みが持ちにくかったりなど。

この記事では、蓋物の蓋の削り方の要点を紹介します。

蓋物作品 ギャラリー

今回は、こちらの作品です。蓋は上から被せるタイプにしてます。作品としては、一寸したキャンディーや菓子類を入れたりするタイプです。 そして、沢山の同じものを使うという事を想定して、少し、横方向には余裕を作ります。でも、数ミリずれたとしても、胴とのギャップが見えたらアウトです。

削りの道具 湿台

削りは、半乾燥でやります。通常の陶芸教室の輪カンナでの削りの硬さでは柔らか過ぎます。抑えても変形しない硬さが必要です。掻きベラでは削れない硬さです。ですから、鉄かんなや超硬カンナを使います。

  1. 削りは写真のような湿台を使いす。後は鉄カンナか、超硬カンナ
  2. 湿台は、蓋の下側の”気”の内側の直径にピッタリ合うものが理想です。少し、小さくても構いませんが、削りの作業中にずれる事があり、少し面倒です。
  3. 湿台は生で、作った後乾燥させただけです。素焼きですと、湿台そのものを削れないし、作品を傷める可能性もあります。
  4. 洗面器に水を半分程入れ、少し柔らかくして轆轤を回転させて、湿台を両手で持って、どべを出します。そして、ガーゼを敷いて、湿台を載せ、中心を出して固定します。
  5.  ガーゼなしでは湿台が取れなくなります。

気と縁の削り方

  • 湿台の上に載せ中心を出します。そして気を削ります。端から、1cm位の部分で、水挽の時に少し高めに作ってあります。余り高いと不格好ですから、好みの高さに。
  • 次は、気の外側を一皮削る感じで、仕上げます。その時、胴体との勘合具合を見ておきましょう。少し、左右に数ミリ動く位が適当です。
  • 次はつばを平坦に削ります。内側は削りません。この部分は、水挽のへらで形状も深さも出来上がっているはずです。
  • 削る時は、蓋の中心を指で押さえて固定することをお忘れなく

 

上部の削りと摘みの削り出し

  • 次は上部の削り。摘みの部分を残して削ります。この時、内部の形状をしっかり意識して削ります。縁の部分が削りの目安となりますので、しっかりと削り落とします。
  • 下の削りと比べて、作品が湿台にしっかり固定されてますので、比較的簡単ですが、摘みの部分を押さえて、ぶれないように固定しておきます。
  • 時々湿台から外して、厚みと重さを確認
  • 摘まみの削りで、カンナが引っ掛かると折れたり、穴が空いたりします。慎重に作業します。

最終の仕上げ

摘まみの削り出しが終わったら、胴に被せて勘合と重さの確認をします。最終は、ふわりとした感じが良いと思います。 少しでも重たいと感じたら、蓋の厚みを触感で確認して、均一に薄く削ります。 削りは基本は上部、重たいから削り過ぎて形が変わるのは避けたい。 最後の手段が内側の削りです。今度は内側の肉厚部分を、内側から削ります。 摘みの下は適当な厚みを残した方が穴を開ける心配がありません。
最終の判断は持って見て、軽いと感じたら、それ以上は削りません。
これで完了。 イッチン描きで、桜や紅葉の絵付けをしたり、飛びカンナの文様を付けたいのであれば、この削りの後でやります。

他の蓋物作品 桜の絵付け、色呉須での絵付け イッチン描き

こんな作品が出来ます。
是非、チャレンジしてください。


2019年 お雛様本焼き紹介 プロの技量


今日は久々の陶芸スクール。 老体に鞭打って、電車で京都へ。 徒歩はやっぱりいいね。スマホのヘルスケアのデーターでは8217歩、5.5Kmの距離を歩いてます。そして、大きな荷物を2個も持って。 これを消費カロリーに直したら、いくらくらいだろう。
この寒い日でも、厚着のせいもあるけど、体はぽかぽか。

お雛様本焼き


今日のトピックはなんと言っても、こちらの本焼きでしょう。 13体のお雛様が出来上がって来ました。

来年位は、もっと他の雛もつくろうかと考えてます。

釉薬は土灰。 色呉須の発色は薄く塗っても綺麗です。 又、レース文様をたたらつくりで転写してますので、これも結構いい雰囲気を出してます。

兎と豚の雛も結構いい出来です。 面白い。 パンダは目と耳を白く塗るのを忘れて失敗でした。

2019年お雛様ギャラリー


お暇様の台は、黒天目のはずなんですが、釉薬の攪拌が足りなかったのか、薄く掛かってそば釉のように仕上がりました。

自分で調合した天目釉ですが、なかなか完成しません。

作品の質 プロとの差

この日は、休みの間に作った大黒さんを持っていったんですが、結局は、大黒さんがお釈迦になってしまいました。 粘土の量が足りなくて、あのふくよかな大黒さんがスレンダーになってしまったのがその原因なんです。

大黒さんは布袋さんですから、全体に丸く、大きくないといけません。 この点が私も気に入らなかったし、仲間たちの意見もそうでした。

その過程で、布袋さんの打ち出の小槌ですが、先生から、”小槌ってこんなかたちじゃないよね”と指摘を受けました。そして、詳細はさておいて、先生に小槌を作って貰いました。

数分で小槌が出来上がりました。 一目で、これが小槌だという感じ。 よくよく見ると、小槌の木目文様まで描いてある。 やはり職人さんの技術は高い。 僅か1cm位のものでも丁寧に仕上げる。 そして、その仕上がりが凄い。

他の例をあげれば、ぼんぼり。 お雛様のセットにはやはりぼんぼりがあった方が良いと思い、電動轆轤で適当に作ったんですが、職人さんから、形が違うねと言われてしまいました。

右が私の作品。左が職人さんです。違いが一目瞭然ですね。

こんな風に全てのレベルが違います。 その後、職人さんのを参考に、10個ほど作ったんですが、半乾燥の後の削りの工程で半分は折れてしまいました。 こんな小物に合う湿台がない。 削るのに時間はかかるし、途中で、カンナが少し引っかかるだけで、”ボキ”と折れてしまう。

一方職人さんの仕事は、丁寧に、”私がもうそれで大丈夫です”と言っても、そこから、支柱は半分になり、ぼんぼりの形も整って行く。 私みたいな妥協ってありません。

仕事が実に丁寧で、細かなところまで、配慮されてます。 改めて、プロの職人さん技量を知る結果になりました。

そういう目で私の作品を見ると手抜きの多い事。 例えば、黒化粧土を塗った黒髪。 部分的に塗れてないところが結構あったりして、目も、黒い目のものと何やらグレイになっているものなど。

去年作成した雛飾りよりは、相当進歩しているのは確かです。 でもでもなんですね。 第3者の立場に立ってみると、ここおかしいよと言うようなところが散見されます。

ここら辺りがプロとアマの差なんでしょうね。 プロは木目まで描く。アマは、本来の形さえ作れない。 これは、陶芸教室での作陶のいい加減な姿勢がまだ振り切れていない事にあるのではと又、反省です。

今日の昼間のテレビ番組で有田焼の紹介をしてました。 その中で、お雛様が写っていたんですが、陶芸のお雛様と言えども、細かな服の文様や、12一重の袖口まで、細かな作業がされている。 これなんですね。 陶芸教室であれば、今の作品でも十分なんだろうけど、これってプロの領域ではないんですね。

まだまだなっとらんと反省しきりの一日でした。


たたらで作るマルチフェイス 花瓶 本焼き編


今日は久々にYouTubeに動画をアップしました。陶芸の動画は結構人気があって、すでに1650人以上のチャンネル登録者があります。 どちらかと言えば海外の方達が多いです。

多分陶芸人口が少ないのでしょうね。そして、海外への情報の発信は余りないのかな。。。YouTubeに沢山の陶芸を中心とした動画をアップして来たんですが、動画で紹介した作品の本焼きを紹介する場(方法)がありません。

そこで、YouTubeのフォーラムに問い合わせをしたら、回答が来た。 結論は公開されているビデオの改変は出来ないという事でした。 やっぱり、そして、それであれば、Part II見たいにして、作品を載せ、オリジナルの動画へのリンクをはったらどうですか?という回答でした。

なるほど、今まで、ギャラリーとして動画をアップしても全く反応がなかったのでその方法は余り効果ないかと思ってました。

しかし、Part IIとか、続編〇〇〇〇であれば、読者の興味は引くのではないかと思います。 そのテストが今回の”たたら作り 山小屋 Part II 本焼き編”です。 もう少し、解説を入れたらいいでしょうね。 皆さんのご意見をお願いします。 2分ほどの作なんですが、もう少しかなと思います。 アイデアあれば、教えて下さい。

ところで、オリジナルの動画にも、Part IIの案内があります。 これで、本焼きに興味がある人は、直接こちらの動画にアクセスできるようになります。

染付14面マルチ花瓶 本焼き

 

この作品ばかりは苦労しますね。 これで何作目だろう。最近でも、これで、5作目くらいかな。お陰で、作陶の方は間違いなく上手くなってます。

いろいろな小紋を書いてきたけど、その書き方が難しい。全面に呉須で描いて行くわけですから、夫々の小紋の描き方も難しいし、そして、基本的な骨書きの色の濃さや、直線描きも難しかった。

そして、もう一点の難しさ。 それは焼成。 全面の絵付けですから、どの面も傷をつけたくない。 見つけましたよ。やり方。コロンブスの卵みたいなもんですけど。

それは、首を下にして焼成する方法です。

首の上は釉薬が塗れません。ではどうする。 金の蒔絵の技法です。 焼成が終わったら、漆を塗り金粉を蒔きます。 これが上の写真です。

18面マルチ花瓶 本焼き

これは如何ですか? それにして、よくもこんな作品を考えたもんだと、自分自身で感心してます。

この作品全面、レース文様を付けてます。 やり方は皆さん分かりますよね。 たたらを作った時にレースを被せて、麺棒で圧着して、文様を転写させる。

蓋の三角形もたたらで、落下を防止する意味で、中にボスを付けてますが、取り扱いが難しいために、ふえき糊で軽く接着してます。 多分、この作品は花瓶としてでなく置物でしょうから、この方が良いと思います。 施釉は、青磁で仕上がってます。

真か右の写真のように逆さまには置かないでしょうが、これも可能です。

多面花瓶飾り

いろんな置き方で楽しむのが多面花瓶

一度作って見て下さい。 正四角形と正三角形の組み合わせだけです。 後は一つ一つを面取りして張り合わせて行く忍耐力があれば、だれでもできる作品です。

でももし小紋の染付をしたいのであれば、しっかり練習をしてやって下さい。

最初はレース文様か、黒天目などの一色の施釉で仕上げた方が良いかと思います。

YouTube動画


馬上カップの製作と染付


馬上カップを作って見ました。 作陶は電動轆轤で、脚の部分は削り出し。
製作の手順は:

  • 作 図: 自分のイメージする作品を方眼紙に描きます。そして、焼成での収縮率考慮した作陶図を作成。 土により、収縮率が違いますが、この場合は縦方向15% 横方向を17%として計算します。 この作図は、次の道具を作る元資料になるだけではなく。作陶時の形状を決めます。
  • 道具の製作: トンボ、だんご、へらを図面に合わせ作ります。
    作 陶: 電動轆轤で作りますが、道具を使い同じものを作ります。そして、大事なことは脚の部分の高さを間違わない様に作ります。
  • 削 り: 削りは湿台を使い、カップを伏せた状態で削りの作業をします。手順は、①底の
    高さを削る。②高台を削る。③脚を削る ④ カップの削り仕上げ ⑤高台内の仕上げ。全ての削りは、湿台に載せてやります。

こちらは、ミニ馬上カップの素焼き品です。こちら粘土は信楽の白。

この作陶も通常の馬上カップと変わりませんが、道具は作品に合わせて作ります。 道具なしでは、同じ形状のものを作るのは非常に難しくなります。こちらの作品は、通常の馬上カップとミニ馬上カップです。 ミニ馬上カップは、ゆで卵のエッグホルダーとしても使えます。

通常の大きさの馬上カップは磁器土。真っ白な地肌に染付が映えます。

ミニカップの陶土の方は同じ絵付けでも、少し温かみがある感じで、どちらかが良いかは、好みと言わざるを得ません。

こちらが、ミニ馬上カップのギャラリー。このカップを作った理由は、大量の同じ作品をつくる練習と、そして、いろいろな呉須の色見本として、染付をやってます。 今回使った呉須は、京呉須、筋呉須、瑠璃呉須、唐呉須などその発色のテストも兼ねてます。

下絵具 色呉須 色見サンプル

呉須でも、最近は多彩なものが売られています。下のお銚子のギャラリーみたいな絵付けも面白いです。

呉須を薄く溶き、水彩画の感覚で絵付けをすれば、これ位の発色はします。